【転職6回体験談】キャリアアップを実現する転職エージェントとは!?3つの見極めポイントを紹介!

転職体験談
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「今の会社への転職は失敗だった」

私は6回の転職のなかで、1度だけそう感じたことがある。

だが、私だけではない。私は6回の転職経験を持つが、同時に求職者側を選考する人事部の仕事もしている。そして「転職が失敗だった」という言葉は、自社の中途採用の面接をしている際に候補者の方からも時々出てくる発言だ。

コロナ禍であっても、IT企業を中心に転職マーケットは活況である。筆者が勤める企業でも採用面接が連日数多く実施されている。

そのなかで気になるのが、転職してわずか数か月で再び転職活動をしている、いわゆる転職に「失敗」しているケースが多くあるということだ。どうして、このようなミスマッチが生じてしまうのか?どうすれば、転職に「失敗」せずに済むのだろうか?


そのカギは、自分にフィットする転職エージェント(以下、エージェント)の見極めにある。

本コラムでは、筆者がこれまで経験してきた6度の転職で蓄積してきたキャリアアップにつながるエージェントの見極め方を紹介していきたい。

転職エージェントを利用する本質的なメリットとは?

転職エージェントを活用するメリット

今や様々な方法で転職活動が行われている。「〇〇ナビ」のような転職サイトを利用することもあれば、友人からの紹介で転職を決断することもある。

なかでも、本サイトを訪れている皆さんは、エージェントを活用する人が多くいるだろう。私も過去6度の転職を経験しているが、そのうち4度エージェントを通じた転職活動で決定している。現在は40歳で、上場企業で執行役員を任せられている。転職を通じたキャリアアップを成功させている一例と言ってもいいだろう。
その私自身の経験談を中心に、エージェントとの付き合い方について、お伝えしていきたい。

まず、エージェントを通じた転職活動のメリットについて考えてみたい。

一般的には、エージェントを通じて選考を進めると、彼らが企業との日程調整や、報酬水準などの条件面での交渉といった気を遣う交渉に介入してくれるので、本人の負担が軽くなるというプロセス観点をメリットに挙げるケースが多い。たしかに、それも一つのメリットであるだろう。

しかし、エージェントが提供してくれるメリットはそれだけではなく、次の3つが本質的なメリットであると私は考える。

エージェント活用の3つのメリット

この3つのメリットについて、順番に見ていこう。

エージェント利用のメリット①「経験、強みの客観化」

まず第一に「自らの経験、強みの客観化」をサポートしてくれることだ。

皆さんが転職活動でまず取り組むことは、履歴書・職務経歴書といった自分のこれまでの経歴をレジュメにまとめることだ。

そのレジュメをもとにエージェントが紹介する企業を検討してくれるのだが、この内容を確認することを通じて、これまでの求職者の経験のなかから価値ある経験をつむぎだしてくれる。たとえ自分として「それほど価値がない」と思っているような経験であっても、見る角度を変えて言語化し、魅力あるものに変えてくれる。

エージェント利用のメリット②「志向性の言語化、可視化」

2つめは、「自らの志向性の言語化、可視化」を支援してくれる存在となることだ。

転職活動をする際に、自分のやりたいことが明確になっていない人も多い。現職への不満だったり、チャレンジが得られていないなかで、環境を変えようとするケースなどがそれにあたる。そんな時でも「何をしたいのか?」「どのようなキャリアを歩んでいきたいのか?」を本心まで深掘りをして、引き出してくれる。


私自身の経験でも、あるタイミングでの転職の際に、次の転職先として漠然と「日系の大手企業がいい」と思っていたが「なぜそれがいいと思っているのか?」「何をキャリアで重視していきたいのか?」について、対話を通じて深掘りをしてくれたエージェントがいたおかげで、幅広い業種、規模の企業に視野を広げることができ、結果として、当初の想定とは異なる業界へ進むこととなり、その後のキャリアアップにつながった。

エージェント利用のメリット③「選択肢の拡張」

そして3つめのメリットは「企業選びの選択肢を拡張」してくれることだ。

例えば、転職サイトや友人の紹介での転職活動では、どうしても、それまでの経験、視野、ネットワークの範囲内で企業を検討することになる。しかし、エージェントとこれまで述べてきた2つのポイントでの会話を深掘りできていると、彼らは、自分が予期していなかった企業を候補としてあげてくることがある。

「そんな会社募集しているんですか?」「そんな魅力的な会社があるんですね!」

ということも多くある。
世の中に数多くある企業のなかで、自分が知っている、もしくは関係性のある企業などほんのわずかしかない。少なからず、その選択肢を広げてくれる存在となる。

自分にあった転職エージェントを見極める3つのチェックポイント

転職エージェントを見極めるポイント

では、エージェントを通じた転職活動をすれば、必ずそういったメリットを享受できるかといえば、そうではない。

私自身も、初めての転職は正直「失敗」の転職経験だった。


当時の私は、コンサルティングファームへの転職を志向し、幸いにもコンサルへの転職を実現できたのだが、その職場は自分が思い描くコンサルとは実態が大きく異なっていた。転職後3か月もたたないうちに「ここで働き続けることは難しい」と感じ、入社わずか半年でその会社を離れることになった。私が描いていたコンサルが幻想であったのかもしれないし、その会社が一般的なコンサルの実態とかけ離れていたのかもしれないが、少なくとも私を担当してくれたエージェントとイメージが合っていなかったのは事実だろう。

では、どんなエージェントが自分のキャリアアップの実現をサポートしてくれるのか?

私が考える3つのチェックポイントがある。

転職エージェントを見極める三つのポイント

転職エージェント見極めポイント①「経験・強みに合わせた提案をしてくれるか」

1つめは「自分の経験、強みに合わせた提案をしてくれているか」というポイントだ。

エージェントのビジネスはクライアント企業からもらう紹介手数料によって成り立っている。入社決定できれば手数料が入ってくるから、企業の求めるスペックを十分に満たした人材を数多く紹介できれば、入社確率も高まり、業績もあがる。

一方で、その人のキャリアアップを重視し、ストレッチなポジションを提案し続けると、決定確率は低下してしまい、業績も短期的には苦しくなる。短期的な目線であれば、候補者目線ではなく、企業にとって内定確率が高いポジションを提示してしまいがちになる。本当に自分の経験、強みを考えた提案をしてくれているかどうか、は候補者にとって重要な視点なのだ。

転職エージェント見極めポイント②「長期的なキャリアを見据えた提案をしてくれるか」

2つめは「長期的なキャリアを見据えた提案をしてくれているか」という点だ。

自分がどのようなキャリアを歩んでいきたいか。それがその企業で実現できそうか。その企業での経験がその次のキャリアにもつながるか。そういった長期の視点で考えてくれているエージェントなのか、ということも気をつけたい。


私が厚く信頼しているエージェントは、その方を介した企業であるか否かは関係なく「〇〇という企業はいいと思います。なぜなら、中長期的に〇〇さんの目指す〇〇という志向とフィットしているからです」というようなコメントをくれる。このような長期を見据えたアドバイスをくれるかどうか、は一つのチェック項目になりうる。

転職エージェント見極めポイント③「企業の強み・特性を把握できているか」

最後のポイントは「企業の強み・特性を深いレベルで把握できているか」という項目だ。

例えばエージェントから、自分が予期していなかったAという企業を紹介されたとする。なぜその企業を推薦したのか、という理由を聞いた時に「経営陣やそのポジションの責任者の言葉を代弁することができるか」「他社と比較したその会社の強みやカルチャーを詳細に言葉にできるのか」という点は非常に重要なところだ。


こういった質問に答えることができないエージェントはその企業に深く入りこめていない可能性がある。企業に深く入りこんだうえで、紹介してくれているかどうか、きちんとチェックすべきだろう。

本質的なアドバイスをくれる転職エージェントは貴重な人生の伴走者

本質的な転職エージェントは人生のパートナー

私には信頼できる転職エージェントが2人いる。これまでの転職経験のなかで、本当に私に寄り添ってアドバイスをくれてきたお2人だ。直近で転職活動を行った際にもお2人には包み隠さず状況を伝え、あらゆるアドバイスをくれた心強い存在だ。

本コラムでは、エージェントを活用するメリットと自分にあったエージェントの見極め方を紹介してきたが、多くの転職希望する人にとって、自分のキャリアを一緒に検討し、企業探しをしてくれるエージェントは心強い存在になるだろう。

しかし、一方で、先ほども触れたように、エージェントはクライアント企業からの紹介手数料によって商売が成り立たっているビジネスでもある。そのため、必ずしも転職希望者の立場に寄り添ったサポートにならないケースもある。
転職希望者である自分に心底寄り添ってくれているエージェントなのかどうか。

信頼ができるエージェントはキャリアの伴走者。早期に見つけられたならば、それはその後のキャリアにとって、非常に幸せなことだ。
そういったエージェントを見つけ、キャリアの転機によき相談相手になってもらっていけば、よいキャリアは開けてくるのだから。

転職の是非にかかわらず、心の底から信頼できる転職エージェントとなってくれるような方を今すぐにでも探しはじめるべきだ。そう、今すぐに。

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