転職における履歴書や職務経歴書の書き方は?採用担当者のチェックポイントからおさらい!

転職ノウハウ
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転職をするときに避けて通れないのが履歴書と職務経歴書の作成です。採用担当者の書類選考を通過できなければ、企業と接点を持つことすらできません。今回は転職を検討している方に向けて履歴書や職務経歴書の書き方を解説していきます。

履歴書と職務経歴書で採用担当者がチェックするポイント

履歴書と職務経歴書で採用担当者がチェックするポイント

履歴書と職務経歴書は記載する情報に違いがあり、採用担当者がチェックする目的も異なります。チェックポイントを把握しておかないと、書き方によってはマイナス印象を与えてしまいかねません。履歴書と職務経歴書のそれぞれについて採用担当者が見ているポイントを確認していきます。

履歴書のチェックポイント

履歴書では、求人に応募するうえでの基本条件がチェックされます。通勤可能なエリアに住んでいなければ出勤してもらえませんし、希望給与が高すぎれば雇用しづらくなります。

また、転職回数も重要な指標です。採用担当者からすると転職回数が多ければ、「職場にうまく馴染めないのでは?」「ストレス耐性が低いのでは?」などと、ネガティブな印象を持ちやすくなります。その結果、採用しても退職されるリスクが高いと判断されてしまいかねません。

このように、履歴書だけでも採用基準となる要素が散りばめられています。基本的な情報だからといって油断せず、書き方のポイントをおさえて慎重に記載する必要があります。

職務経歴書のチェックポイント

職務経歴書では、実務の能力をチェックされます。採用担当者は、履歴書だけではわからない具体的な業務内容を知ることで、自社で活躍できる可能性を判断します。もし、具体的な実績があれば、成果をあげられる人物だと期待してもらえるでしょう。

ただ、書き方を誤ると実績がうまく伝わりづらくなります。「~だと思います。」「~には自信があります。」などの表現は、主観的で信ぴょう性が薄くなってしまいます。説得力のない表現を何度も見て、飽き飽きしている採用担当者も多いことでしょう。

事実に勝る証拠はありません。少しでも職務経歴に信ぴょう性を持たせられるよう、主観的な表現を極力排除し、数値を交えた根拠を記載することが大切です。

履歴書と職務経歴書の書き方

履歴書と職務経歴書の書き方がわからないと、気になっている企業に素早く応募できません。うまくPRできなければ、書類選考で落とされてしまいます。履歴書と職務経歴書の書き方について、簡単な定型文を交えつつ解説していきます。

履歴書の書き方

まずは、履歴書で特に重要な項目の書き方から個別に確認してみましょう。

書き方1.職歴

一般的には義務教育以降の学歴と正社員として働いていた企業名、在籍部署を時系列に沿って記していきます。転職や異動経験がない方は新卒で入社した会社の社名や所属部署を書けば良いですが、もしも転職回数や異動が多い方は、全て書ききれない場合があります。ただ、意図をもって職歴を減らすと経歴詐称になりかねません。書ききれないときは、履歴書に記載できる範囲まで職歴を書き、「詳細は職務経歴書記入」のように追記します。

職務経歴書であれば、履歴書よりも詳細な内容を伝えられるため、転職回数の多さをキャリアの一貫性や身に付けたスキル、仕事の実績などで帳消しにできる可能性があります。

退職理由は「一身上の理由により退社」と記載するのが通例であり、具体的な理由は書く必要はありません。

ただ、前職を離職してからブランク期間が長いと、円満退社できずに無計画で退職したのだと思われる可能性があります。資格取得に向けた勉強など、スキルアップに向けて実践したことがあれば、その内容を1~2行程度追記しておくのが無難でしょう。

書き方2.志望動機

志望動機では、応募企業やポジションで求められている人材を理解したうえで、これまで学んできた専門知識やスキル、そして実績を提示し、職務で役に立てることを伝えます。

重要なのは、募集ポジションと自分とのマッチングです。企業は、中途採用には即戦力化を期待しています。しっかりとした志望動機を書くためには自分の今までのキャリアを棚卸しし、言語化することが何よりも重要です。そしてその募集ポジションで何が求められているかを理解することです。会社全体のビジネスモデルや今後の経営方針を踏まえた上で、自分とのマッチングを意識しましょう。

また、給与や休日、残業時間などの待遇に魅力を感じて志望する方もいるかもしれません。素直に記入してしまうと、採用担当者に勤労意欲が低い人材だと思われる可能性があります。

勤務条件を志望動機の主軸として記載しないように注意しましょう。

書き方3.本人希望欄

本人希望の記入欄は、採用担当者によっては入社条件としてとらえられてしまう可能性があり、安易に記入すると採用候補から除外されてしまうリスクがあります。

原則として、勤務条件や待遇については、余計な内容を記載しないのが無難です。「特になし」と書くのではなく「貴社の規定に従います」と記載するのがセオリーとなっています。

また通勤時間は片道90分以内が通勤圏内だと考えられています。通勤時間が長いと、緊急時に召集しづらいほか、交通費もかさんでしまいがちです。採用側からするとデメリットを感じる要素となりえます。

「内定後速やかに転居可能」などのように、入社後は柔軟に対処できる旨を記載しておきましょう。

職務経歴書の書き方

引き続き、職務経歴書で特に重要な項目を個別にチェックしていきます。

書き方1.業務内容

業務内容は、携わってきた職務の概要がシンプルに伝わるように箇条書きで記載します。たとえば、人事業務に携わってきた場合、下記のように記載します。

  • 中途採用(年間●●名採用)
  • 2次面接担当
  • 研修制度の立案
  • 評価制度の見直し
  • 就業規則の改定

業務内容の補足として、チームの人数や売上など、規模や成果などを付け加えれば効果的にPRできます。

ただ、成果を記載したとしても、周囲から評価されていなければ、環境に恵まれていただけだと判断されてしまう可能性があります。

したがって、「●ヶ月連続で営業目標を達成したことを評価され、課長に昇進できました」などのように、成果を出したことによる客観的評価まで記載することが重要です。

書き方2.自己PR

経験やスキルに自信があると、たくさんの内容を詰め込んでしまいがちです。しかし、あまりにも長文になってしまうと、本当に伝えなければならないPRがぼやけてしまいかねません。

志望動機を記載するときと同様に、企業が求めている人材像を正確に把握し、必要な経験やスキルを取捨選択してPRすることが大切です。

また、文章の無駄をそぎ落とすことも重要です。無駄な表現が多いと、伝えたいことが一目でわかりづらくなりますし、論理的思考力に疑問を抱かれてしまうこともあるでしょう。

たとえば、「チームの中で最も優秀な成績を獲得することができました」という文であれば「チームでトップの成績を獲得できました」というようにスリム化できます。文章を作成したあとは、無駄な表現をそぎ落とせないか、最終チェックをするようにしましょう。

履歴書と職務経歴書の書き方に関するQ&A

履歴書と職務経歴書を書くときには悩みがつきものです。履歴書と職務経歴書の書き方に関する疑問についてQ&A形式で回答していきます。

Q1.履歴書は手書きで作成すべき?

A1.必ずしも手書きで作成する必要はありません。

最近では、パソコンで書類を作成するのが当たり前となっています。市販の履歴書を見たとき、「自分で作成すればコストがかからないのでは?」と思う方もいるかもしれません。

大手転職エージェントdodaは、2018年の採用に関するアンケートで、採用担当者に対して履歴書の作成方法に関する意識調査を行いました。

調査結果は下記の通りです。

どちらともいえない、どちらでもかまわない:42.7%
手書きのほうが良い:27.2%
どちらかというと手書きのほうが良い:15.5%
パソコンで作成したほうが良い:10.7%
どちらかというとパソコンで作成したほうが良い:3.9%

どちらでもかまわないと考える採用担当者が多く、手書きを好む採用担当者も比較的多いことがわかります。

パソコンで作成しても、不利になるとまではいえない結果です。条件の指定がない限り、必ずしも履歴書を手書きで作成する必要はないといえそうです。

参考:採用担当者に聞いた!履歴書は手書きとパソコン作成のどちらが良い?(doda)

Q2.職務経歴書に書ける実績が少ない場合は?

A2.業務に対する取り組み方を記載する

新たな業界や職種にチャレンジするにあたって、関連する実績が不足するケースもあるでしょう。

職務経歴書では、実績だけが評価されるわけではありません。実績が不足していても、採用担当者に刺さるPRは工夫次第で書けます。

実績が少ないときは、業務に対する取り組み方をPRできないか、考えてみましょう。

たとえば、「業務の引き継ぎ体制が整備されていなかったので、業務でミスが起きないように変更点がわかる引き継ぎノートを作成しました。チームでミスが減ったことについて上司から評価されました。」などのようにPRできます。

採用担当者は、課題解決に向けたアプローチを評価してくれるのです。

まとめ

以上、転職における履歴書や職務経歴書の書き方について、簡単な例文を交えつつ解説しました。履歴書や職務経歴書の書き方で重要なポイントがおわかりいただけたのではないでしょうか。

履歴書は基本情報を記載する書類であるため、フォーマットがほとんど決まっています。採用候補から外されかねない項目に注意して作成を進めていきましょう。

職務経歴書に関しては、職種によってPRできる分野が異なってくるため、柔軟にフォーマットを調整する必要があります。

たとえば事務系の職務経歴書では、採用担当者からすると、パソコンの操作スキルをチェックしたいところです。そのため、「PCスキル」と題した見出しを配置し、WordやExcelに関する業務内容まで記載しておくのが望ましいといえます。

履歴書や職務経歴書の書き方をあらためて再確認し、転職活動を少しでも優位に進めていきましょう。

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